貴女は涙を知らなくて良い

.15 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 馬鹿にしているのかもしれない。
 嘲っているのかもしれない。
 少しだけ前を歩いているからって、偉そうなことを言うなって、突き放されるかもしれない。
 それでも、目の前に可憐な花があって、その美しさを守りたいと感じた時、もうその花を咲かせることの出来ない人は、ただ、その花に訴えかけるしかない。
 先人がして来たように。
 鬱陶しくても。胡散臭くても。
 この先に転がる小石を取り除こう。
 生きろよ、強く、美しく。
 その彩りを大切にしろよ。
 きっとお前は、泣いたことなんて無いんだから。
 このまま、泣くほどの不幸せを知らずに生きて行って欲しい。
 躓くことさえ、するなとは言わないから。
 あんな悲しみは知らなくて良い。
 あんな哀しみは知らなくて良い。
 その無邪気な笑顔を浮かべていて欲しい。
 この身に幸せが訪れなくても、構わないから。
 貴女には、どうか訪れるように。
 願うよ。切に。切実に。
 貴女は涙を知らなくて良い。


生きているだけで涙が流れてしまうような人生には、陥らないで、と。
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ピエロ

.15 2016 .+*詩*+. comment(0) trackback(0)
 ねえ、上手く出来たかな。
 喜んでくれたかな。
 好きだったよ。ずっと。ずっと好きだった。
 誰も傷付けたくなくて、みんな幸せが良くて、ほんの少し私が我慢したら、それが叶うんだって、信じてた。
 なんで、こうなっちゃったのかな。
 わがままはダメだって育てられて来たから、自分は二の次に、って、ちゃんと続けて来た。
 私、良い子だよ。真面目にやって来たよ。人に優しく、自分に厳しく、ずっと守って来たよ。
 わがままなんて、言わなかったよ。言わなかったよ。
 だから、ほめてよ。よく頑張ったねって、言ってよ。
 ありがとうって、もう私の役目は終わったんだよって、言われたみたい。

「上手く行ったよ」
 笑顔で教えてくれた。
 照れくさそうに笑う姿が、羨ましかった。
 そうなるように、そうなるように、って、頑張って来たのは私も同じで、あの子の願いは、私の願いと同じだって、信じてたのに。
 ずっと覆い隠して来た想いが、最後の最後で大きく膨らんで、どうしようもなくなった。
 私の方が彼に近くて、私の方がずっと先に好きだった。
 そのせいで、そのせいで。
 あの子が近付こうと努力をする間に、私は言い訳を探し続けた。
「協力、してくれないかな?」
 その言葉を、私は誰に言えば良かったの。
 厚かましい。そんな気持ちが、あの子に向ける笑顔の中に現れ始めた。
 彼の隣は、私だけがいたのに。そこにずけずけと入り込んで来ようとする姿勢に、疑問と怒りを感じた。
 でも、私は彼の特別じゃなかった。ただの、他の誰かより仲の良い女友達。それだけだった。
 肩書きが無きゃ、認めてもらえないんだよ。
 あなたに一番近かった私が、あの子を一番近付けるために尽力する。
 私だけが知っていたはずの彼の秘密を、二人だけの秘密にした。
 あの子の魅力と私の魅力は、反比例。
 もう、私は、ただの女子Yだね。
 卒業して何年か経ったら、忘れちゃうくらいの、存在。
 きっと顔も、思い出せなくなる。
 でも、言えなかった。
 私が彼を、あの子より好きだったこと。
 あんなバカの、どこが好きなんだろうって。まるで、自分のものみたいに見てた私は、特別になれるきっかけを、掴めなかった。
 すぐそこにあったのに。すぐそこに。
 でも、もう、あの子のもの。

 あーあ、明日から、目も合わせたくないな。
 でも、きっと、彼は話しかけてくる。あの子は惚気話をして来る。
 私は、最高のピエロだ。


お久しぶりです。
藤夜アキです。
毎日続けること、をもう一度意識出来たらな、って。
頑張ります。

Midnight Rain

.26 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 そう、壊れていく。壊れていく。
 すっかり痩せこけた腕に、創だらけの腕に、失われた想いと、過ぎ去った時を感じた。
 叩きつけるような重い雨に、いつしか傘も疲れて。
 そう、壊れていく。壊れていく。
 洗い流してくれることなんて無いのに。
 期待して、期待して、傘を放った。
 あたたかな雨が、導かれるように溢れ出る。
 決して癒えることは無い。
 決して許されることは無い。
 だって、その気が無いから。持てるはずが無いから。
 何より幸せを拒んでいるのは、この心だ。
 雨の日に傘を持たない理由なんて、一つしか無い。

「これは罰なんだ」
「これは――罰」
「これは罰、これは罰、これは罰……」

 懺悔の対象なんていない。
 ただ、罰を受けるだけだ。
 生まれたことに罪は無い。
 生きていることに罪が有る。
 何も為せないなら。何も成せないなら。
 むしろ奪うだけなら。壊すだけなら。
 いなくなってしまわなきゃ。

 そう、壊していく。壊していく。
 生きるという罪に、生きるという罰を受けることで贖う。
 それが、私の生だ。

したたり落ちる愛、恋、憂

.27 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 失って、失って、失って、ああ、失って。
 したたり落ちる愛、私の器は空っぽに。
 空の器は求めるの、そうでしょう?
 満たして、満たして、満たして、ああ、切なくて。
 求めるのは貴方の面影、重なる姿探して。
 絶望の繰り返し、醜い色の上塗り。
 忘れようとして、より貴方に焦がれてく。
 他の誰でもなく、貴方が創った世界。
 したたり落ちる恋、私が見るのはいつかの貴方。
 貴方の破片を拾い集めるばかり、そればかり。
 私が好きなのは誰なんだろう? 誰なんだろう?
 愛を教えてくれた人に、愛を奪われたから。
 真っ当な愛に、辿り着けない気がする。
 したたり落ちる憂、私の笑みは冷たい。
 ねえ、教えてよ。
 壊れた玩具の行く先を。
 ねえ、教えてよ。
 壊れた人形の運命を。
 本当は、誰より、分かってる、分かってる。
 それでも、教えて。
 私以外の口から聞きたくて。
 したたり落ちる、雫、雫、雫。
 空の器から零れ行くそれは、何。

Night Draws

.14 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 夜に腕を引かれて、こんな所まで。
 それが大人の時間だって、教えてくれたのは誰だったっけ。
 忘れてしまうほど、長い時間。
 忘れてしまうほど、遠い距離。
 夜に腕を引かれて、こんな所まで。
 味わった哀しみの分だけ、夜の闇は深く。
 軽やかな足取りで踏み出して。
 引き連れて帰る、悔いる記憶。
 美しい物語。幸せな絵空事。
 誰も悲しみを教えてくれなかった。
 表紙はいつだって白くて、笑う二人が最後にいた。
 夜のことなんて、誰も教えてくれなかった。
 嘘じゃないことは分かるよ。誰も嘘なんて吐いてない。
 本当のことを言わないだけ。
 幸せになれるのは、たった一握りの存在だって。
 人並みの幸せさえ、人並みにはなれないって。
 夢を、抱かせないで欲しかった。
 大人になんて、して欲しくなかった。
 夜に腕を引かれて、こんな所まで。
 知りたいと、踏み入れたいと、思わせないで欲しかった。
 無理なんだろうね、でも。
 人は、大人になろうとするから。
 あの日の私みたいに。
 自分の方から、腕を引いて、って。


幸せが近くにあるのに、不幸せの影を探す。
幸せになれない、理由。

ガラスの雨

.12 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 映画の終わりみたいだな、って思った。
 煌めく粒子に包まれて、私もこのまま終われたらな、って考えたら、涙が出た。
 美しい世界だった。
 美しい世界だと思ってた。
 貴方は素敵な人で。
 貴方との時間は素敵な日々で。
 貴方といられる私は幸せ者。
 全部、私が築き上げた妄想の世界。
 何も見えてなかった。
 何も聞こえてなかった。
 幸せになりたくて、幸せを演じてた。
 それが本物かどうかなんて、考えようともしなかったんだ。
 こうやって降り注ぐガラスの雨だって、美しい終わりだと思いたいけど、きっと、本当は違う。
 不出来な世界の終わり。
 壊したのは、貴方で、私だ。
 それでも、美しい、って思いたいよ。
 何もかも否定したくないよ。
 貴方を好きになってしまった私を、殺したくないよ。
 だから、この雨は、美しい。
 美しいんだ。


お久しぶりです。
お久しぶりです、本当。

人生には波があると思います。
それを人様にも押し付けてしまう俺は、まだまだ未熟者です。


4月22日に、これまで使用していた碧海愛から、藤夜アキ(トウヤアキ)にペンネームを変更しました。
何故変えたのか、とかはまあ色々理由あるんですが、過去を清算する、という一言でひとまずまとめます。
まあ、そのうち書く気がします。
ひとまず今は、これからも俺を宜しくお願いしますです。

藤夜アキ、覚えてくださいね。

窓辺の憂鬱

.12 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 光の当たる窓辺は、明るくて、温かくて、優しくて、塞ぎ込むには、ちょうど良い場所だった。
 何を言っているか、分からないと思う。
 そんな所にいたら、気持ちも明るくなるんじゃないか、って、そう考えて当然。
 でも、私は塞ぎ込んでしまう。
 凄く、考えるのに最適な場所だから。
 落ち着いて、自分のことが見つめられて、でも、考える対象の自分が、暗がりの中にいるから、気が付けば、重苦しい気持ちに包まれてしまう。
 捻くれていて、ねじ曲がっていると思う。
 もっと、明るくなれたら良いのに、って、自分でも思う。
 だけど、人生で日なたにいられたことなんて一度も無いし、明るくなるにはどうしたら良いのか、そこがもう、分からない。
 日が落ちて、人工の明かりで照らされた場所でなら、私の心は、良い意味で落ち着く。そんな時には、陰鬱な気持ちももうすっかり消えていて、自分の居場所はここなんだ、って、思える。
 誰かにとっての憩いの場は、誰かにとっての辛い場所。
 そうなんじゃないか、って、私は思うけど。
 きっと、私の方が、間違っているんだろうな。


俺なら寝ます。

ぽかぽか気持ちいい所なら、俺なら寝ますねー。
よく思うんですけど、書いていることと、実際の人となりって、必ずしも一致しないと思うんです。
現実を描くときと、理想を描くときと、自分のことではなくて、誰かや何かを描くときと、それぞれあると思います。いつだって自分を描く人もいるでしょうけど、俺は違うかなあって思います。

(ृ ु*•͈ω•͈)ुまあそもそも、俺女じゃないし。

空っぽの花瓶

.11 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 手折ることさえ出来れば。
 幸せに、××ただろう。

 倒れた花瓶から、溢れた。
 澄んでいた。
 そこに流れたことさえ、いつか分からなくなってしまうほど。
「良い人」
「優しい人」
「自分を曝け出せる人」
 そう、俺はそんな人だね。
 都合が良くて、優しく引き下がってくれて、自分を出さない人。
 無償の愛なんて、信じられないから。
 嘘つきになったら、愛してもらえると信じていたから。
 摘まなければ、自分のものには出来ないのに。
 押し留めなければ、すぐになくなってしまうのに。
 愛でるばかり、水をやるばかり。
 ねえ、こんなにも美しく咲いたよ、って。
 摘み取られて行く未来を、繰り返し築いた。
 泪さえ、花の美しさのため。
 今日もまた、花瓶は空っぽで。
 今日もまた、笑顔は上辺だけ。
 ねえ、愛されてね。
 約束だよ。
 せめて、幸せになってね。

 花瓶は程なくして、割れてしまった。


何だか最近やる気のアップダウンが激しくてしんどいです。

(o´・ω・)おわり。

(o´・ω・)ダメですか。

(ृ ु*•͈ω•͈)ुいいですよね。

ギターを抱く少女

.08 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 ポスターに写っているのは、俺を壊した女だった。
 そうか、夢を叶えたのか。
 殺意を覚えた。
 俺を壊した女が、のうのうと生きていることに。俺を壊した女が、成功を手に入れたことに。
 あいつにも辛いことがあったとか、それを乗り越える努力をしたとか、俺を知らない誰の言葉も要らない。
 じゃあ壊されてみろよ、そう言えば、黙るだろう。
 一生懸命生きる?
 誰だってやってる。
 生きることが、既に努力だ。
 生まれた時に、幸福と不幸の配分は決められていて、どんな苦境に生まれた人間でも、最終的に成功していれば、文句なんて言う権利は無い。
 この世は運命に縛られている。
 文句を唱えて良いのは、悲しい人だけだ。
 誰かを恨んで良いのは、哀しい人だけだ。
 それで何になるとか、日向から声をかけようものなら、苦しみの断片を口に押し込んでやりたくなる。
 上昇志向だけで幸せになれるなら、誰だってやってる。
 憎い。憎い。
 真っ赤に染まってしまいそうだ。


二日間、勝手にお休みをいただきました。
精神的な部長があったので、逃げ出しました。

今もまだ、そうなんじゃないかなー、とか、思ってたり、思ってなかったり。
年を重ねれば重ねるほど、哀しい人になって行きます。
でも、その裏で明るく振る舞ってしまえる自分がいるので、なかなか人には気付かれません。

俺は自分の話をあまり人にしないので、ここが数少ない自分を出せる場です。

ツナギ

.05 2016 未分類 comment(0) trackback(0)
 俺は、繋ぎだと思う。

 お前は過去の話ばかりした。
 お前は未来の話ばかりした。
 前を向いていたし、後ろを向いていた。
 ただ、今を、隣にいる俺を、見ていなかった。
 そう、俺は気付いていた。

 処分の日を待つ気持ちだった。
 繋ぎの役割を果たしながら。
 恋人の役を演じながら。
 一時的に器を満たす、そんな安酒。
 夢を見るお前を、呪いながら、愛した。

 お前にとって、俺がどんな存在だったのだとしても。
 俺にとって、お前は必要な存在だった。
 俺を変えてくれた、大切な人だった。
 それでも、想うことは、独りよがりだ。
 受け止める側が拒めば、そこで終わり。

 それだけだったんだろう。

 繋ぎの役割に、俺は耐えかねた。
 俺はもっと、強い人間だと思っていた。
 それでも、心はぺしゃりと潰れた。
 醜い形が、水たまりに映っていた。
 俺は、幸せなんかじゃなかった。

 俺の役目は、終わった。
 また誰かが、その役目を引き継ぐんだろう。


繋ぎのお話。
繋ぎの恋人、っていう、哀しい存在。

一度、経験があります。
俺はバカなので、最初の内は気付かなかったんですよね。
でも、時間が経てば、さすがに分かります。
何だかこう、存在してれば良いだけなんですよね。
恋人が欲しいだけ、そんな人より、酷い恋愛ですが、多分、相手もどこかで傷付いたから、そんな仕方しか出来なくなったんでしょうね、って、むしろ同情してしまうところはあります。

とは言え、誰も傷付いては欲しくないので、そういう恋愛は、しないことをオススメします。
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