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紙飛行機を飛ばした日

.22 2015 .+*詩*+. comment(0) trackback(0)
 あの日、私、紙飛行機を飛ばしたんだ。
 手紙、だったんだ。
 届けたい人がいて。届けたい想いがあった。
 でも、宛先、分からなくなっちゃったから。
 教室の窓から飛ばしたんだ。
 届けば良い。奇跡が起こって。
 あなたに読んでもらえたら、良いのに。
 そう思って、私、紙飛行機を飛ばしたんだ。
 帰って来なかったよ。返って来なかった。
 きっとあの紙飛行機は、どこかで不時着しちゃったんだね。それで、届かなかったんだ。
 行きの分だけしか燃料を積まなかったから、戻ることも出来なくて。行方知れずになっちゃったんだ。
 あなたは、そんな紙飛行機が空を飛んだことさえ、知らないんだね、だから。
 どのくらい空を飛べたの。あの紙飛行機は。
 きっと、私、本気じゃなかったんだ。そう、そうに違いない。
 私の努力が足りなかったから。足りなかったから……足りなかったからっ……届かなかったんだ。
 もっと丁寧に折り目を付けられたはずなのに。
 もっと本当の想いを綴れたはずなのに。
 もっと、もっと、もっと――
 頑張れた、はずなのに。
 どこかで諦めて、線引きして、努力を惜しんだから、私の手紙は、空を飛べなかった。飛び切れなかった。
 あれ以来、私、手紙は一度だって書いてない。
 紙飛行機も、折ってない。
 怖いから。
 そう、怖いから。
 手紙を書く手に、紙飛行機を折る手に、涙がこぼれてしまうことを、知ってるから。
 なのに。
 なのに、私は、あの窓を目にする度、もう一度だけ、あの日みたいに出来たら、そう思う。
 後どれくらい、この町にいられるだろう。
 後どれくらい、あの窓を見かけるだろう。
 きっと、もう、そんなに長くはないんだろうけど。
 もう一度だけ、あなたに手紙、書いてみたい。
 もう一度だけ、紙飛行機を、飛ばしてみたい。
〝どうか届きますように〟
 あの日みたいに願って。

 私は駅まで向かうのをやめて、引き返すことを決めた。
 今なら、出来る気がした。
 怖いけど。
 泣いちゃうだろうけど。
 今なら、出来る気がしたから。


深夜は、とっても怖い時。

心に怖いものが、迫って来る時。

でもその怖さを文字にしたためたら。

少しだけ楽になる。

少しだけ。
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