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Different Way

.09 2015 .+*詩*+. comment(0) trackback(0)
「僕ら――」
「私たち――」

「「同じ方向を向いてたよね」」

 見つめ合って。
 笑い合って。
 想い合って。
 手のひら、重ね合って。
 ずっと、同じ方を向いていた。
 そう信じていた。
 繋がった小指の赤い糸は、繋がったままだと信じていた。
 お互いの体をぐるぐる巻きにして、もつれて、ほどけなくて、それが苦しいと感じたこともあったけど、間違いなくそれも幸せだ、って。
 思っていたあの気持ちは、全てまやかし、まぼろし、そうだと誰かが言った。
 複雑にまとわりついたその赤い糸は、小指の周りにだけ、見当たらなかった。
 切れていた。
 いつから?
 出逢った時?
 想いを重ねた時?
 いつか手を振った時?
 いつか喧嘩した時?
 連絡が途絶えがちになった時?
 あいつのことなんて、そう思った時?
 そんなこと。
 何度だって、あったのに。
 その度に、小指を確認したはずなのに。
 その時にはまだ、あったはずなのに。
 どうして今、見当たらない。
 電話をかけることも。
 メールをすることも。
 チャットを飛ばすことも。
 二人の間に降りた重苦しさが許さない。

 一筋。
 伝った涙。
 瞬間。
 全てが鮮やかによみがえって。

 告白も、初めてのキスも、ぎこちないデートも、声が震えた通話も、二人きりの遠出も、ささやかな誕生日も、雪降るクリスマスも、繋いで歩いた大通りも、お揃いのスマホカバーも、語り合った未来も、大好きな笑顔も。

 そのどれも、嘘じゃないのに。
 同じ向きを見ていたはずなのに。

「僕ら――」
「私たち――」

「違う方向を向いてる」

 運命の相手だって。
 確かに思った。
 この人となら、幸せになれるかもしれない。
 淡い期待、でもそれは、いつの間にか濃くなっていた。
 今までの誰よりも、愛してくれて。
 今までの誰よりも、愛してた。
 愛してた、はずなのに。
 気持ちは変わる。
 平然と。純然と。自然と。
 驚くほど、緩やかに。驚くほど、確からしく。
 永遠の愛は無いって、ハッキリと分かる。
 それは、この心が悪いんだろうか。
 人を愛せない人間なんだろうか。
 確かに今も愛してる。愛してるよ。
 でも、「好き」が出て来ない。
 小指には何も無い。
 考える時間が減って行く。
 最初、そこにあった幸せは、薄れて、かすれて、見えなくなった。
 壊すような真似、どっちだって、してないのに。
 いつの間にか、この関係は、壊れてたね。
 悪いのは、誰?

 一筋。
 伝った涙。
 刹那。
 全てが残酷に思い返されて。

 大好きだったはずなのに。あの笑顔も、あの声も、あの話し方も、あの幼さも、あのかわいさも、あのかっこよさも、あの無邪気さも、あの鈍さも、あのバカさも。大好きだったはずなのに。
 最後には全部、見えなくなってた。それを奪ったのは、誰、何。
 
 見えなくなったのは、多分。
 同じ向きを向かなくなったから。

「僕ら――」
「私たち――」

「もう元には、戻れないんだね」




別れを彩る色は。

何色だろう。
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