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.02 2015 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
「なあ、俺らはどこで間違ったんだと思う?」
 真っ暗な部屋には、椅子が一つ。
 カーテンの隙間から漏れ差す光は、朝の光。
 目の前に横たわる〝女〟に尋ねる。
 長い髪の一筋を、口元に含んだ彼女は何も答えない。生気の無い瞳は、何も語らない。ほんの少し握られた手は、何も告げない。
「間違ったから、こうなったんだよな」
 違う、と、屍は笑った。
「死んでもまだ、お前はそう言うかよ」
 そう、最初から、間違っていた。最初から、何もかも無かった。
 この部屋に置かれたのは、たった一つの椅子だけ。
 描いた理想は、所詮理想。
 ここにアレを置いて、アレを買って。全部、語るだけの夢。叶える気は、無かった。少なくとも、お前には。
 光を失った目で横たわる〝コレ〟も、結局は俺の夢の中の――
 間違った認識に基づく、人、で。
 この部屋も後にしなきゃな、そう独り言つ。
 ここも俺の居場所じゃなかった。
 次の部屋の扉は、もっと重たいんだろうが。
 それでも、開かなければいけない。
 不幸せを重ねられた俺は、幸せを求めるから。
 無数の繋がりの中から、本当のそれを探して。
 傷付くことを覚悟で、扉の先に踏み出す。
 だけど、今の俺には、繋がりを絶つ、そんな未来しか思い浮かばなかった。〝コレ〟に対して俺がしたような、そんなやり方で。
「まあ、お前は良いよな。俺に刻み込めたんだから。……自分を」
 俺には、その屍を刻むことしか、出来ない。
「さよなら。もう逢わないだろうから」
 繰り返す度、俺は死に近付いて行く。
「あえて言っておくよ」
 やはり、精神は、有限だ。
「お前が誰より、好きだった」
 だから、俺はいつか、その「好き」に、殺される。
 部屋を出る足取りも、部屋を出て吸い込んだ空気も、澱んでいた。
 晴らす術は、知らない。




絶たれた繋がりは、意味を為さない。
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