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割れたティーカップ

.09 2015 .+*詩*+. comment(0) trackback(0)
 涙が出た。
 ハッキリと聞こえる秒針の音。
 ティーカップは一つだけ。
 割れちゃったから。割っちゃったから。
 懐かしみたい過去にも、出来ないんだね、そんな気がした。

 紅茶が好き。コーヒーは苦手。二人の共通点。多くは無かったけど、毎日必ず口にするそれが同じだったから、私たちは一緒でいられた。
 青い花びらはあなたで、赤い花びらは私だ。
 水屋にしまう時は、くっつけて横に並べた。
 私とあなたが一緒の証。

 涙が溢れた。
 聞こえなくなった秒針の音。
 ティーカップは一つだけ。
 あなたの手がそうだったように。
 私の手から、するりと抜け落ちた。
 嫌な音を立てて割れたティーカップ。
 しばらく、見つめることしか出来なかった。
 それでも、片付けなきゃ、って手を伸ばして。
 一層涙が流れた。
 破片が指先に傷を作った。心にはもう、大きな傷がついていたのに。
 一つ一つ、積み上げて戻そうとしたけど。
 最後のひとかけらを乗せる度、崩れて。
 戻せない、戻れない。告げられた気がした。

 あなたの過去、私の過去。
 あなたがコーヒーを苦手とする理由。
 苦くて飲めない、そうだと思ってたのに。
 違ったね。違ったんだね。
 あなたを作った前の彼女のこと、この前になってやっと知ったよ。
 ブラックをさらりと飲めるあなたを、褒めてくれたんだよね。そんなところがかっこいいよ、って言ってくれたんだよね。コーヒーを見たら、それを思い出しちゃうんだよね。
 それが、あなたと私を結びつけてくれたから。私には、嬉しくもあるけど。
 でもきっと、あなたはこの先、紅茶を飲まなくなるんだね。
 そしてきっと、コーヒーも紅茶も飲まない子と、一緒になるんだ。
 私もきっと、もう紅茶を飲めないよ。
 あなたを、思い出してしまうから。

 それでも、壊せなかった。壊せないよ。
 もう一つのティーカップ。
 赤い花びらに飾られた、私のティーカップ。
 あなたと私が一緒だった証だから。
 もう二度と、二つ揃うことはないけど。
 もう、二度と。
 もう一つのティーカップは。
 割れちゃったから。割っちゃったから。


うっわ、半年も更新を忘れてた。
ひどいな。

ということで新作。
『コーヒーカップ』という曲を聞いて。
カップの所だけ取ってきた。換骨奪胎。

今、サイトをまたいじり直してます。
ここに挙げた全部の作品をまとめて読めるようにするつもりです。
この作品も収録します。
でも、まずはここで読んでもらうのが早いね。

ちなみに俺はブラック飲めないよ。
もちろん、俺は私でもあなたでもないよ。
たぶん。
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