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パンダライフ

.06 2016 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
 パンダになりたかった。
 動物園で、俺はぼーっとパンダを見つめていた。
 いや、野生のパンダがどうかは知らない。笹を巡って絶え間ない抗争が繰り広げられてるのかもしれないし、パンダ界にも上下関係があって厳しい格差社会が構築されてるかもしれない。とは言え、普通の人が想像するパンダを、俺はパンダと呼ぶ。
 つまり、ゴロゴロしていたい。存在するだけで良い、ああいう感じも良い。笹食って、気が向いたら吊られたタイヤにもたれかかってれば仕事した感じが出せるし、滑り台でも滑ろうものなら、拍手大喝采だ。どこの世界のアイドルより自由で、縛りがなくて、バカにもされない。生きてたら認められて、ファンがつく。何だパンダは。前世でどんな善行を積めばなれるんだ。教えて欲しい。
 動物園にいる以上、自由とは無縁な生活を送っているが、それでも構わないのか、と聞かれそうだ。別段問題は無いだろう。外の世界が恋しくてたまらないなら、動物園の動物はもうちょっと決起して暴動起こしてそうなもんだし、人間様の社会が自由で楽しい理想郷だって言うなら、その辺でも歩いて数枚写真を撮ってみれば、それが嘘だってすぐ分かる。自由を前提に、有り余る責任と面倒を重りとして付けられる人間社会は、それほど自由には見えない。結局、差し引いて考えてみれば、人類の何割かは、パンダより不自由だ。
 まぁパンダの見た目になりたいか、って言うと、どうだろうな、微妙かもしれない。けど、慣れれば意外と苦じゃないかもしれないな。
 ただ唯一気がかりなことがあるとしたら、もうちょっと色々食いたいとは思うな。笹とかフルーツだけじゃ物足りない。
 と言っても、どう足搔いても俺はパンダにはなれない。ある日発狂したとしてもなれるのは虎。西洋人の血が入ってたとしたら巨大な虫か。パンダにはなれなそうだな。
 パンダになりたい、ってのは、幼い頃の夢、そんなもんだ。憧れるだけの、遠い夢。
 そう思って、俺はパンダの展示スペースの前を離れた。


何コレ?

気付いたら出来てたけど、うん、何コレ?

俺、パンダに憧れてんの?

疲れてる。
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