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君に恋した七日間 #0

.28 2016 君に恋した七日間 comment(0) trackback(0)
 神様は職務怠慢だ。
 死神がせっせと働いているのに、神様は気まぐれに試練を与えたかと思えば、仮にそれを乗り越えたって、ご褒美の一つだってくれはしない。
 僕が生き残って、彼女が死んだ、今この瞬間だって、何を思ってこんな結果を残させたのか、出来ることなら、問いただしてやりたい。
 でもきっと、それは出来ない。僕は神の存在なんて、信じていないから。本当にいるのか、いないのか、それは別として、僕には信じる神なんていない。神頼みをすることはあっても、それは物事を良い方向に進めてくれる何かにであって、名の知れた誰かに対してじゃない。
 それでも、祈りはした。その何かに、ひたすら祈った。信仰があれば、彼女は救われたのかもしれない。
 いや、違うんだろうな。
 僕が優れた医者で、彼女の病を治してあげられるだけの知能と技術持っていれば、救えたんだ。まだこの世の誰だって知らない治療法を思いつきさえすれば、救えたんだ。
 だけど、そんなのは無理な話だった。僕は誰にだって誇れないただの文系の学生で、彼女の感性に、人よりちょっと深く寄り添うこと以上は、出来なかった。残された出来ることは、悔しがることだけ。そして、生きるだけ。
 出逢わなければ良かったんだ。
 なんて、言えない。
 出逢えて良かった。
 それだけが、思い浮かぶ。
 僕が君に恋したのは、たった七日間。
 それ以上は、許されなかった。
 君はずっと遠くに行ってしまった。
 僕の命が同じように尽きるまで、後どれくらいかかるだろう。
 君が向かった方に歩き出せるのは、いつのことだろう。
 僕は神の存在なんて、信じていないから。君とまた逢えるなんて希望も、持てないけど。命を全うすれば、今度は神様だって良い意味での気まぐれを起こしてくれるかもしれない、って思うんだ。
 君の声が聞きたい。君のピアノを聞きたい。
 もう一度、話がしたい。

 恋した人の訃報を聞いて、一人、僕は夜空を見上げている。
 あのどこにも、君はいない気がする。
 君は、どこでもないどこかに、行ってしまった気がする。
 僕は、君と過ごした僅かな時間に、思いをやった。
 そうすることで、前に進めると分かっていた。
 そして、君がそう望むだろうと分かっていた。

 君に恋した七日間。
 他の誰も歩めない、僕と君だけの時間。
 振り返るにはあまりに短いそれだけど、僕は、他のどんな時間より、大切に思い出そうと決めた。


最新作です。
ブログを読まれてる方もいるだろうし、ということで、なろうだけでなくこちらでも掲載します。
今後、連載小説の作品は古い順に表示させて、いつでも読みやすく出来るように工夫します。

あとがきは全て書き終わったら書きますね。
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