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髑髏の橋

.30 2016 .+*Fragile Minds*+. comment(0) trackback(0)
 私は橋の上を歩いていた。
 薄もやの中で、辺りを見渡しても、全てが白濁していて、何も分からない。
 それなのに、橋の上にいることは、私には分かっていた。
 どうしてここを歩いているのか、ここに来る前何をしていたのか、それらは思い出せない。
 けれど、私はここに来なければならなかったんだ、そんな確信だけは、不思議と持っていた。
 後ろを振り返って、その方に歩いて行けば、元いた所に帰れるかもしれない。
 でも私には、そのことの方が、してはいけないことのような気がしていた。
 私はこの先に行かなければいけない。それ以外のことは、してはいけない。そう、何かが強く告げている。
 ふと、私は自分の身なりが気になった。
 ぼろ切れのようなクリーム色の布を、ワンピースのように着ている。荒野を彷徨う迷い人のようで、生きている人間が着るには、あまりにお粗末な格好に見えた。肩から先は覆われておらず、足元も、くるぶしの少し上辺りで不揃いに途切れている。足はむき出しで、それなのに痛みは全く感じない。足裏の感覚が無いような、そんな気がする。そう言えば、これだけ歩いているのに、私は疲れを感じていなかった。
 これから、私はどこへ行くんだろう。
 ただ正面を向いて、立ち止まることなく歩き続ける私。
 当たり前のことを、淡々とこなしている、そんな感覚。
 ぼーっとして、意識が途切れそうになった。
 そんな頃だった。
 ふわり、風が吹いて、僅かにもやが晴れた。ふっと吹きかけた吐息が、ドライアイスの煙を追いやったような、あの一瞬の晴れ間の如く、足元がハッキリと視界に映った。
 髑髏だった。おびただしい数の髑髏が、所狭しと敷き詰められていて、私はその上を、ぺたりぺたりと、歩んでいた。
 私は、怖いものが苦手なはずだった。それなのに、その光景を見て、私は恐怖心を微塵も感じなかった。
 感覚が狂っているとか、意識が混濁しているとか、そういう理由ではなく、何か本能的な部分が、私に恐れを感じさせなかった。そう思った。
 そして、この長い長い橋を渡り終えた先、その向こうには、何が待っているのかも、同時に察した。
 この景色は、私の心象だ。

 気が付くと、私は目を覚ましていた。
 橋の上ではなくて、ベッドの上にいる。
 私には分かった。
 私はどこかで、今もあの橋の上を歩き続けている。
 あの自分と、ここにいる自分は、同じであって、同じではないけれど、いつか一緒になるんだ、そんな風に思った。
 私はまた、現実に戻って、同じように歩いて行く。
 そして、もう一人の私もまた、あの場所で、同じように歩いて行く。


.+*Fragile Minds*+.は、一つの詩のレーベルとして、今後普通の詩とは少し分けて取り扱って行こう、そんな風に思って決めたシリーズです。
具体的には、本作のように、〝私〟を主人公に(同じ人かもしれないし、違う人かもしれないです)、少しメランコリックに、少しセンチメンタルに書いて行きます。多分、あれです、少女なんたらとかいうやつです。
なんとなくの思いつきですが、たくさん書けて、たくさんまとめられたら良いなぁ、と思います。

ちなみに、髑髏はされこうべ、と読ませるつもりで書いていますが、別にどくろ、と読んでも何ら問題ありませんし、多分ルビ振らない限りそうは読めませんが、rubyタグを書くのが非常に鬱陶しく、htmlを書くつもりで書いているわけでもないので、わざわざ対応はさせませんでした。
何だか読み方でこだわる方も多数いらっしゃいますが、要は髑髏をバナナ、とかタオル、とか読まなければ良いのであって、意味が同じなら読み方なんてどうだって良いんです。和歌や歌詞なら文字数や響きの関係も出て来ましょうが、今書いているのはただの散文詩なので。

バナナの橋、面白いわ。

 バナナだった。おびただしい数のバナナが、所狭しと敷き詰められていて、私はその上を、ぺたりぺたりと、歩んでいた。


ダメだすごく笑う。そしてとても面白い。滑るよ。
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