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こちら側

.01 2016 .+*Fragile Minds*+. comment(0) trackback(0)
 夕暮れ刻。
 夕陽に照らされながら、私は、フェンスに手をかけた。
 前へ伸びる影。風が吹く度、髪が揺れるのが見えた。
 緑色のフェンス。
 こちら側と、あちら側で、見える景色は繋がっているのに、同じはずなのに、こうして立てられた柵が、私の心に、その二つが異なっていると、植えつける。
 何かを分けるということは、その二つに優劣を付けるきっかけになる。
 私のいるここは、望まれた場所。
 あなたのいるこの先は、望まれなかった場所。
 私は、生きることを望んだ。
 あなたも、生きることを望んだ。
 あなたは、私が生きることも、望んだから。
 私は、ここに来ることになった。
 でも、そのために、あなたはこの先に留まらなければならなかった。
 あなたを愛しているなら、私もこの先にいるべきだった。あなたと共に生きるべきだった。
 あなたの言葉を受けて、素直にこちら側に来るべきではなかった。
 私は、私が可愛かった。生きたかった。
 愛のために死ねなかった。
 後悔は、その罰。
 でも、仕方ないじゃない。
 私は、苦しい思いをしたくなかった。
 生きたかった。
 たとえあなたのためでも、死ぬことは出来なかった。
 なのに。
 苦しい思いを、生き残れても、している。
 あなたはまだ、生きているだろうか。
 私にはもう、あなたを愛する資格は、無いけれど。
 それでも、どうか、こうして、苦しみながら、偲ばせて欲しい。
 あなたへの想いは、断ち切れないから。
 フェンスに手をかけて、涙を流す。
 もう過去には、戻れないから。


ベルリンの壁、が世界を分断する壁としては、一番有名ですけど。
普通のフェンスでも、囲いでも、なんとなく辛い。

心の中に立った柵は、自分の選択を責める。
ああすれば良かった。
こうすれば良かった。
過去と今との境に立って、様々な苦悩を生む。
それでも過去に戻ることは、出来ないから。

今より先を強く生きる、それしかない。
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