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『Her trop』

.11 2013 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
また下駄箱に手紙が入っていた。
差出人の名前は相変わらず変わらない。
彼女はメールを使わない。
それどころか、アドレスすら教えてくれない。
他の奴とはやり取りを交わすくせに。
俺にだけは面白みもない裏紙に書いた手紙をよこす。
そしてその中身に、また心奪われる。
今日こそは、と意気込む気持ちも二秒後には失って。
彼女に呑まれるだけの俺が、そこに立っている。
有能な狩人の前に、俺みたいな有能な獲物はさぞ美味そうに見えるだろう。
なにせ、罠をしかければ、必ずかかるのだから。
なにせ、罠をしかけられれば、必ずかかってやるのだから。
恋し、恋させ。
俺たちは同じ方を向きはしない。
俺たちは幾年が経とうと、真逆に向かう。
獲物のくせして、俺は逃げやしない。
彼女の罠に、絶対にかかってやる。
彼女に愛される。
俺は知っている。
愛される努力が、愛する努力より難しいってこと。
狩人から本当に逃げようとすれば、狩人は仕留めやすい獲物に狙いを変える。
これは、追いかける側に、追いかけさせるゲームだ。
追いつけないと踏んで罠をしかけたなら、それにかかってやらねば。
彼女の罠がどれだけ杜撰だとしても。
彼女の罠がどれだけ精巧だとしても。
平等に獲物は引っかかったと見せかける。
出来ることなら、本当にかかってしまえば良い。
故に俺は明日も下駄箱へ向かう仕草を見せる。
彼女に罠を仕掛けさせ続けるために。



下駄箱に手紙、ってもう古い風習なんですかね。
実は昔一回だけやったことがあります。
はい、やったことがあります(笑)
あれはドキドキの体験だったなぁ……しみじみ。
そんなこんなで、今作は愛する努力だけじゃなくて愛される努力も大事だよって作品です。
愛するのって、簡単なんですよ。
言葉や行動。愛を示せることを行えば、すぐに出来るんです。
でも愛されるのって、なかなか以上に難しい。
ずっと愛される自分でいる。
そんな努力をして、ずっと一緒の二人になれたら、とても素敵ですね。



今日は火曜日なので、サイトで連載中の『夏とエトセトラ』を公開しました。
今日は三ノ一三ノ二です。
それぞれリンクを貼ってあるので!

『夏とエトセトラ』総合ページはこちら
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