スポンサーサイト

.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『恋文流し』

.20 2013 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
君に恋文を書いた。
告白の仕方は、口で伝えるより手紙に書く方が好きだった。何度も何度も書き直した末に出来上がったそれは、初めに書こうとしていたものとは随分違った形になるけれど、伝えたい想いを余すことなく書き連ねられる気がするから。
だから今年もまた、あの日みたいに君に恋文を書いた。

河原の階段に腰を下ろすと、僕は空を仰いだ。
宛先のない封書を、どうやって君に届けるかに迷う。
便箋だけなら風に飛ばしてもみれる気がした。でも封書にしてしまったから、その手は使えない。
君に会わなくなってから、幾年が過ぎただろう。
手を繋いで歩いた河原には、今日もあの日の僕らみたいな二人がいた。
楽しげに話して、時々恥ずかしげに顔をそらして。
二人の前には、無限の未来が広がってるんだろう。
僕らが描いた未来は、何も叶わなかったけれど。
それでも、早く恋文を届けようと思った。
夏だから。
少しくらい濡れているくらいの方が、ちょうど良いだろう。
封筒を浸す。
君は海の方にいるだろうか。
もしかしたら、山の方かもしれない。
そう考えて、君が海を好きだったと思い出した。
ならきっと、これで良いだろう。
この恋文を読む君の顔を思い浮かべて、そっと手を離した。
返事のない恋文には、慣れている。
君は忙しくて、返事はめったにくれなかったから。
それでも、君が僕の手紙を読んで泣いてくれたのを見たあの日、これで良いと感じた。
思いの丈をすべて伝えられるように。
無数の恋文を、僕は流す。

恋文流し。
それは、僕が君の恋人である証。


今作は一年ほど前に書きかけて放置していたものを先日仕上げたものです。
灯篭流しやってみたいな、なんて考えてたんだと思います。
後、槇原敬之の歌に手紙をどうこうっていう歌があったのに、インスピレーションを受けた、だったかな←
槇原敬之は90年代のものしか聞いたことがありません。SPYとか、milkとか、そんなものばかり(笑)
ZARDとかも古めのが多いです。
今でも結構好きです。


『雨宿りの三人』いよいよ明日から連載スタートです。
明日、公開と同時にこちらであらすじなどを紹介しますね。
さらに六月の後半の作品として、『雨傘がくれた恋(仮)』の執筆構成を始めました。こちらは久々の恋愛作品になると思うので、興味のある方は是非。
スポンサーサイト

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://miyutayu.blog.fc2.com/tb.php/385-794ce4ff
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。