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夏の終わりは僕らを変える

.24 2013 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
――永遠よりも、無常を選ぶよ――

 物事の終わりには、人は必ず何らかの感情を抱く。
 それは始まりよりもずっと、強烈で。
 終わりは、実に特別な瞬間。
 極彩色の始まりが、たとえ無色の終わりにたどり着くのだとしても。

――秋の空は、少し重苦しい――

 その夏の終わる日、僕はカレンダーが未だに六月のままになっていることに気付いた。特に大した用事も無い日々において、カレンダーに手を触れるという行為は要らなかったからだ。
 夏はまだ終わってねえ、とでも言いたいかのようなパフォーマンスを見せるお天道様の下、僕は扇風機を前にして筆を動かしていた。
 この夏に出来たことは何だろう。どんなイベントを消化出来ただろう。
 どれだけペン先を踊らせても、生み出されるのは精々秋の目標だけだった。
 この夏は、きっと変わる。誰かに誇れる自分になる。
 そんな目標の達成は、どうやら果たされなかったようだ。
 箇条書きのためにあるような横の罫線がびっしりと並んだルーズルーフは、さみしくもこれで役目を終える。
 僕もいずれはそんな終焉を迎えるんだろうか。
 誰かのための、中途半端な部品。もっと良いものを手に入れたら、取り替えられるような。
 お札にも描かれている偉人は人はそれでも人間は平等だと説いていたそうだけど、僕はこれで結構現実主義者だから、悲しい序列の中で生きていくしかない。
 一芸に秀でさえすれば、まだ生きれる余地があるような気がして、この夏に期待していたけど、結局不発に終わってしまった。
 僕にはきっと、何かを為し得るための努力をする才能が極端に無いんだろう。
 最も虚しい言い訳を思いついて、僕は部屋を出た。このままここにいたら、きっと抜け出したままになっている布団に潜り込んで一日を終わらせてしまいそうだから。
 これまた半端な気温の世界の中で、通い慣れた小さな商店に向かって歩き出した。
 少し前まではここにもう一人いた。
 大学に入った途端、連絡は途絶えた。
 夏休みに突入した大学生が、多くの友人と呼んでいる人たちにするように。
 君は何のために僕と一緒の時間を過ごしたの。その答えを、君は出さないままに別れることを決めたんだね。多分それは、将来本当に添い遂げようと誓った人と歩いている時にでも、ふっと思い出すんだろう。そして、ああ、あれは無駄だった、なんて言葉で片付けられるに違いない。あるいは、それすらなく、ぽろっと記憶の中からかき消されてしまうかもしれない。
 君は僕にとっては、記憶の一番深いところに留めようと思えるほどの人だったのに。
 ひとりぼっちのさみしさに溺れながらのろのろと足を進めても、商店までの距離はさして伸びなかった。
 いらっしゃい、足音で僕と分かったんだろう。夏休みが終わるね、僕はまた何も出来なかったよ、買い手のつきそうにない妙な味のアイスバーをカウンターに置く。あたしは人生の中でやっちまったってことはあっても、出来た、なんてことはほとんど覚えてないよ、硬貨のやり取り。喜びって、薄れやすいんだね、お礼と共に、店を出た。
 買ったばかりのアイスを食べることなく、家路をたどることもなく、僕はさっきまでの進路に戻った。

――それでも僕は、夏が好きだ――

 夏は、君と出逢えた季節。
 夏は、君の大好きな季節。
 夏は、僕が生まれた季節。
 夏は、僕の大好きな季節。

――夏の空は、この涙を消してくれるのに――

 夏の終わりは僕らを変える。
 否応無しに迫って来る秋が、僕らを夏から引き剥がす。だとしても、僕らから夏の残滓は奪い取れない。
 夏は動きやすい服装をしてるから。きっと心も身軽で露出が多いんだろう。
 関係は動いて、胸が締め付けられて。
 夏の間僕らは、知識なんて増やさずに、経験だけを積んで大人になって行く。
 そして夏の終わりに、良かれ悪しかれ、僕らはそれに気付く。
 自分たちは、変わった、と。


夏休みが終わってしまったー(´・ω・`)
夏休み、何か出来たこと、ありますか?
俺はなぜか大学の英語の授業で思い出としか名付けられないような作文を書かされました。先生、小学校の英語の授業に向かって下さい、って言いたい感じのを。
俺は夏休みは、多分、成長したと思います。終わったから、それに気付いた気がします。
俺の夏休みについてはブログを遡れば何となく分かって行くはずですし、俺はそんなことしませんが、本当に成長してるか検証したい方は是非。

今作についてですが、挑戦要素も入れてみました。改革もして行かないと、毎日書いてるからこそマンネリ化してしまいますよね。今回の――で囲んだり、会話を鍵かっこ使わずに記してみる手法はあくまで思いつきでの何となくの導入ですが、割合綺麗に使えることが分かりました。
案の定、対句なんかは依然として多用しますけどね、これはリスペクトする作家さんの多大な影響ですから(笑)

自分で作風をぶち壊して再構成する、それが出来なきゃ、ただの量産体制と変わりありませんから。俺は常に、変化していたい。時代の過渡期に生きてるからなんですかね、なーんて。
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