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花の咲かない果樹

.28 2013 .+*詩*+. comment(0) trackback(0)
 あの頃俺は恋をしていた。
 多分、最後の真っ当な片想い。
 それ以降俺は自分が恋をしていると思いたくなったし、何より恋が怖くなった。
 今静かに冴えた頭で考えれば、俺は彼女を傷付けたんだろうし、俺もまた斬りつけられたような痛みを感じた。
 もちろん次に好きになる人は、彼女みたいでは間違っても無くて、お互いに傷付け合うことも無いと信じている。
 それでも、俺はもう誰にも触れるつもりは無い。
 俺が触れたら、これまでに無い痛みを感じさせてしまう気がして。
 だからどれだけ大切でも、ある時点を過ぎたら、距離を縮めようとはしない。
 距離がゼロになる日は来ない。
 俺は、誰のものにもならない。
 それは孤高でいることを何より好む一匹狼みたいな意志ではなくて、大切な人を大切に想い続けたい、俺のわがまま。
 だから、きっといつか距離は開くだろう。
 気が付けば、二人はそれぞれ逆を向いて歩きだしている。
 いつか俺のことが必要でなくなる日が来る。そうしたら、そっと俺から離れて欲しい。
 さよなら、の一言すら要らない。
 最初から何でも無かった、そんな顔をして歩いて行って欲しい。

〝この恋は、実らないよ。
 だって、俺は、花を咲かせないもの〟


こんな気持ちでいる人が、きっと世界にはたくさんいる。
一つの恋の終わりに、どんなことを感じるかはその人、その恋次第だけど、もう恋なんてしない、そう誓う人は必ずいる。

そうして本当に、恋をしなくなってしまう。実のならないように、花を咲かせないでいる。
いつまでも冬の世界に閉じこもる。

でもそれはもしかすれば、そんな自分に春一番を吹かせて欲しいという、弱虫の発想の上に成り立っているのかもしれません。優しさが欲しいと嘆願する敗者の戯言なのかもしれません。

どんな気持ちも、永遠には続かないから。
こんな思いが途切れてしまう日も、生きていれば訪れる。


この作品はフィクションです。
と、書いておかないと俺の信条みたくなってしまいそうですから。
俺もこんな風に感じていた時期がありました。
そんな氷漬けは、ゆっくりと解けて行きました。
氷が解けるきっかけをくれたその人を、俺はずっと大切に想っています。
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