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Ruined Statue

.06 2013 .+*詩*+. comment(0) trackback(0)
 顔面が崩れていく。
 石膏みたいに剥がれ落ちていく。
 感覚は顔だけに集中していて、他の部分がどうなっているかには意識は向かない。
 分かるのは、ソリッドな躯が朽ちていく、その感覚だけ。
 全てが剥がれ落ちた後、どうなるのかは知らない。
 本当の顔が現れるんだろうか。
 どこまでも深く風化して消えてしまうんだろうか。
 ただ、この現象が始まった理由には心当たりがあるような気がした。
 自分がどんな存在だったのか、それを見失ってしまった。
 多分誰もキャプションを書けないんだろう。
 世間色に染まろうとして、実際に染まって、その毒みたいな色に中身を全て奪われた。彫像より質が悪いのは、中に何も詰まってないことだ。ノミを打ち付ければそれだけであっさり砕け散るような、スカスカの脱け殻。
 やめときなよって制止を振り切って浮世一色。
 笑顔が流行りならえくぼを作って、泣き顔が売れれば目薬をさして。確かに世渡り上手とは言われたし、腕の中に入るやつもわんさかいた。
 だからほんの少し目を逸らして、その流れを見失った時、俺に残ったのは徒らになった躯だけ。
 それでもある程度は上っ面に仮面を被せることで乗り切れた。
 だが何時だって無理には限界がつきまとう。
 被るべき仮面まで分からなくなって、とうとう目と耳と鼻と口がついているだけの存在になった。人はそれをヒトと呼ばないかもしれない。あるいはそれはマネキン像ですらない、単なる粗大ゴミと言い放ちさえするだろう。
 だからこの顔はもろもろと崩れていく。
 もしかしたらもう、この躯まで含めてガラガラと終わってしまうやもしれない。
 でも傑出するのは怖かったから。
 みんなと違うが怖かったから。
 自分〝も〟がそんなにも恐ろしいなんて、知らなかった。気が付いたら手遅れで、だとしたら自分は説話的な最後を迎える哀れな存在に違いない。
 ふと顔に手を触れる。手のひらに感じる凹凸は最早知り得るものではなかった。
 声も出ない。涙も流せない。
 この顔は後少ししたら、なくなってしまうだろう。
 自分が誰かを、最後まで説明出来ないままだったから。


日本人批判、ってなるんでしょうけど、別に俺は民族としての日本人好きです。日本人ってことに誇りも持ってます。
ただ時折やっぱり嫌なとこもあるわけで、付和雷同ばっかの民族意識は嫌いです。

そんな批判を込めた作品ですが、時折こんなのも書いて良いかなって、思います。
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