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緑のまま落ちる葉

.09 2014 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
 ああ、本当に終わっちまった。
 本当に言えず仕舞い。
 思い出詰まった卒アルもらって、卒業証書の筒持ってはしゃいでる奴らを背に、俺は後少しで花開く桜並木の下を歩く。
 アルバムめくれば死ぬほど出てくるあいつの顔。
 誰にも見られないようにこっそり丸つけて買ったこともあった。話せるようになってからは後ろめたさに拍車かかってやめたけど、やっぱ買っときゃ良かった。だってもう増えやしねえ。
 またな、とか可愛げに手振ってさよならとか、一番望んでなかったパターンじゃんかよ。
 もっと色々あっただろ、考えてただろ、何度もシュミレーションしたじゃねえか。なんで出来なかった……?
 ずるずると引き伸ばして、仲良くなってく毎日。近付けば近付く程言い出しにくくなって、別に今はまだいっかなんて思い始めた。こんなことなら、一番最初に想った頃にアタックしとけばマシだったかもしれねえ。これまではそうして来たじゃねえか。それなのに、最後の一人に言われたあの一言、告白して気を引くとかやめた方がいいなんて、それは恋人の一人でも出来る奴の考えだろ?
 俺はどうせ出来ねえんだから、後腐れなく終わりたいってのに……。
 楽しい記憶だけ量産して、飽和になったわけでもねえのにバイバイなんて、一番酷くて、一番恋愛っぽいじゃねえか。もう泣くしかないじゃんかよ。
 真っ当な恋をしちまった。なんて悲しい話だ。
「バカじゃねえかよ……初恋ってわけでもねえのに」
 高三にもなって泣いてるとこ、誰に見せれるってんだ。
 夜になれば不安になった。この恋も叶わないんじゃねえかって。否応無しにペシミズムに襲われて、そんなことねえよ、って励ましても、あいつの優しさ見たら、そう思わずにいられなかった。
 優しすぎんだよ……。誰にも良い顔出来て。そんなの、みんな惚れて当然だろ。だからあいつはたくさんの中から選り好み出来る。もちろん〝良いヤツ〟だからそんなこと考えもしねえんだろうけど。
 俺じゃ友達までにしかなれねえもんな。
 どんだけ頑張っても、結局チャンスは一度っきりとしか思えなくて、告白の機会は後ろ倒しになってった。チャンスってチャンスも来なくて、告白して終わった関係ってのももう知ってて、そんな俺に思い切って踏み出せる一歩もなかった。
 なあ、お前の言う好きって何だったんだ?
 日本語に好きって言葉は一つしかねえんだよ。
 なんで俺にも使ったりすんだよ。バカみたいに期待だけさせて、俺なんて嫌いだって、嘘でも言って欲しかった。告白しないでって、サイン出して欲しかった。しても無駄だよって言って欲しかった。
 なんでそんな簡単に呼び出せそうなほど暇してたんだよ。
 なんでこんな俺が好きになれるくらい無防備だったんだよ。
 意気地なしが近くにいるくらい、気付いてくれても良かったじゃねえか。お前、あんなに気が利いてたんじゃんか。なんでそこだけノータッチなんだよ。
 春が近いと告げる風が疎ましい。青春って、恋愛って、冬の風より凍てついてて、どんな野暮なものだろうとそこには運命ってものがあると知らせる。けどそれが分かるのはいつだって最後だ。これもダメなやつだった。マトリョーシカの最後まで開けて、やっと中身が空っぽだと分かる。中身なんて結局全部ねえんだろうけど、やっぱ見えねえから。何とかの猫と一緒で、わかんねえから。昨日までは、明日恋が叶うのと終わるのとは、それでも五分五分なんだよ。
 これまで蓄えてきたきっと使いもしないだろうと思ってた語彙が全部溢れて俺の頭を駆け巡る。
 それがまた全部言い訳と自分への慰めで、それがたまらなく、苦しい。
「桜なんて、咲いてねえんだよ……」
 志望校に受かったことなんて、俺にはちっとも嬉しくなかった。
 たぶん俺はこれからも恋をする。それがたまらなく嫌だった。その度にこれを繰り返す。右足で踏み出して失敗したからって左足から行っても、やっぱ結果は同じで、その次は右足から行く。
 俺の運命ってのは、そこにある。
 けどやっぱ今日のが一番、辛い。
 枯れる間もなく落ちなきゃなんねえから。
 まだ緑のままだぜ。それでも時間切れですって、誰か様が決め付けんだ。
 インターバルの後は、次は四年間ですって、無表情に告げてくる。
 次恋したら、とか思う自分がいる。きっとあいつより良いヤツに逢える。でも、それでも俺が好きなのはあいつのまま。
 素直に辛いって、誰かに言えたら。
 少しは楽だろうにな……。
「好きって、言いたかったんだよ、俺は……」
 潤んだ目で空に向かって呟くとか、死ぬ程ダサい。
 でも俺にはまだ、それ以外の方法なんて、思いつきもしねえんだよ。


皿洗ってました。今日、何書こうかと。連載してるのを一気に書くべきなんですが、どうしても気が乗らないことって往々にしてあります。今日、そんな日でした。
そこで、考えたのが、俺の書く作品の男たちって、どっか大人じゃね? ってことでした。
どっか出来てて、かっこよくて、アホでヘタレなのに、ちゃんとハッピーエンドに持ってく力は持ってやがる。
でも、そんなこと、無いじゃないですか。
どっかで一回、有り触れた、負け犬の遠吠え書かなきゃダメだなって気がしました。
しかも出来るだけ本音に近い形で。
取り繕うこと無しに、本音でぶつかるべきだ、って。
別に最近失恋したとか無いですし、俺については何ら関係無いですけど、でも男子が負けてとぼとぼ帰る、しかもそれが恋愛って展開、それを男子が書かなくてどうするんですか、って気がしたんですよ。
女子が書くと何でも上手いですよね、正直俺はあんなリアリティあるの書けないです。
けど、男子らしい負け感情なら、書けないはずないんですよ。味わったことあるんだから。
妙に今回力こもってますが、こういう出口の見えない失恋の辛さってのも、やっぱりたくさんあるわけで、そこを書き出していくべきだと思ったので、今回こんな風に書き上げることにしました。
かなり本音でぶつかったので、よければ感想とか下さると嬉しいです。
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