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コールド・フィートとリムーブ・ナウ

.02 2014 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
 マッチ売りの少女がマッチを擦ると夢が見えたみたいに、私には携帯の明かりが夢を見せてくれた。
 大切な人たちが出来た。
 現実じゃ出来ないような友達や、好きな人が。
 あだ名の付けにくい私の名前も、ハンドルネームならあだ名が付けてもらえる。
 その名を呼ばれると、凄く幸せな気持ちになった。
 ずっと続けば良い。
 みんなと、ずっと。
 初めてそう願えた。
 ここが私の居場所なんだ。
 疑いもしなかった。
 何より大切な人が出来た日、私はこの世界に生まれたことに初めて感謝した。
 私はこの時代に生まれたから、恋が出来たんだ。
 そう思うと、それまでの辛さはもう、私の中からいなくなった。
 でも、やっぱり、ここも現実の延長だった。
 彼がいなくなった。
 ぱっと、明かりが消えてしまうみたいに。
 彼が何処に住んでいるのか知らなかった。
 彼の本当の名前も、彼がどんな姿をしているのかも、結局知れなかった。
 限りなく現実に近い非現実。
 それがここなんだ。改めて気付かされて。
 初めて心から泣いた。
 その日はその年で一番寒い日で、それなのに私は上着も羽織らないで、素足を冷たい空気に晒してベッドで膝を抱えた。
 未だに震え続ける携帯の画面に、彼の分だけが表示されない。
 何処に行っちゃったの。私のことを見失ったの。私はここだよ。ねえ、ここだよ。
「ここにいるよ……」
 でも彼はここを知らない。
 彼のアカウントだけがさみしい最終更新の日時を表示する。
 その最後の言葉が「ありがとう」で、余計に苦しくて。
 これじゃまるで、私を現実に引き戻すために彼がいたみたいだ。
「違うよ、私はあなたといられたら、それだけで良いんだよ……」
 もう、どんな返事も来ない。
 どれだけマッチを擦っても夢が見えることは無い。
 足先は凍りついたように冷えて行く。
 彼から離れる日。
 夢だけじゃなく、現も見る瞬間。それが来てしまった。
 いずれ戻って来るだろう。ここには、私の好きな人たちがたくさんいるから。
 でも、少しだけ私は……彼が見せてくれた楽しさを、五感全てを使って味わわなきゃいけない。
 だから。ほんのひと時。ここを離れる。
 泣きながら、私も「ありがとう」を繰り返して。
 彼のアカウントをそっとリムーブした。


最近長い長いのが続いていたので、小休止にと。
サイトをまとめているとなんかこんな作品をもっといっぱい書きたくなりました。
今後は書き下ろしとしてサイトにもいっぱいブログ未公開のものを上げようかとも思ったり。

タイトル、なんかジョジョの副題みたいになりました笑

その②とかありませんよ笑

°ω°)」今日もう一作品書こうかな……。
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