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黒い空と文字の海

.21 2014 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
 眠りから覚めると、空は真っ黒に染まっていた。目を悪くして以降、星は滲んでしまってはっきりと見えない。だから、夜は黒い空だけが見える。
 家屋の明かりだけは異様に目に入って来て、悲しさが募った。
 あの日に似ている。
 いつも外を眺めるのは、同じ窓。
 列車のドアに付いた、細長い窓。
 彼女が隣にいたり、いなかったりの違いがあるだけ。
 俺が口を開いていたか、口を閉じて音楽を聴いているかの違いがあるだけ。
 耳に流れ込んで来るのは、さみしげなロック。そのバンドにとってはあまりに珍しい、儚い愛の歌。なのに、俺はこの曲が一番好きだった。
 他のどんな曲よりも、この曲が一番好きだった。
 どんな感情よりも、さみしさがまず、好きになれた。
 そうだ。俺も歌を書こう。
 この想いを、いっそのこと文字にしてしまおう。そうすれば、誰に伝えることなく、心の中から苦しみを取り去ることが出来るかもしれない。
 彼女がいなくなってからの、苦しみを。
 こんな夜に、独りで空を見上げなきゃいけない辛さを、歌にしよう。
 その歌は、誰に聞かれなくても構わない。
 こんな俺を見捨てないで、今も共にいてくれるあの夜空に聴いてもらえるなら、それで良い。
 列車が揺れる。
 いつもならこの辺りで一度はバランスを崩すのに、今日はそうはならなかった。
 初めてかもしれない。
 俺の足には確かに力がこもって、そしてもう、よろめかなかった。
 この夜空がふっと笑みを浮かべてくれるような、そんな歌を。
 俺はまた目を閉じて、今度はそれに最も相応しい言葉を探す旅へと漕ぎ出した。


転換期なのかもしれない。
何かが変わる頃なのかもしれない。
だから、上手く書けないのかもしれない。
でも、それでも書くことを捨て置きたくは無いから、今出来るものを書いてみよう。
いつもみたく、音楽を聴きながら、そこから発送を得て。

そうして出来たのが今作。
自分自身ではどうだとはすぐに言えないけれど、悪くはない、そんな風に感じてはいる。
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