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To The End which is The Beginning

.29 2014 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
1. Sometimes, I think,

 この世界に思い通りになることなんて、無い。誰だって分かる。俺の人生には特にそんなことばかりだった。
 望んだものはその多くを手に入れることが出来、その多くを手に入れることが出来ないこの世界では。
 後悔をしたくないから、今度は上手くやろう。
 そう決めた正しい心でさえ、現実の前には哀れに散る。
 むしろ、後悔を避けるために努力をした時の方が、かえってその結果に打ちのめされそうになる。そんな気さえする。
 それがモノに対してなら、心はいつか納得してしまえる。
 でも他人に対してそう考える時には、決してそうはならない。
 今まで経て来た多くの恋。そのどれにだって、俺は満足な答えを出すことは出来ないでいる。
 中には、もう十年が経とうとしているものだってあるのに。
 ただ純粋に欲しただけなのに。どうしてこの世界には、得られないものがこんなにも溢れているんだろう。
 どうして諦めること一つ、叶わないんだろう。
 いつからか俺は欲するようになっていた。
 叶わないものを、それでも叶える力を。
 モノに対してなら、お金をより積めば良いだけ。
 でも他人に対しては、そうは行かない。
 お金で買えない。本当に。
 だからそれを叶えるのにそれでも必要なものは、この非情な現実でさえ受け入れざるを得ないような、圧倒的な想いの力、それなんだろう。

2, Last Day, 2014

 年の瀬。それはいつも俺に思わせる。
 これで良かったのだろうか、と。
 満足と後悔が束になって押し寄せる。
 大概は後悔の方が多い。
 満足だったものが大晦日になって後悔に変わることさえある。
 それは否応なしに俺の心に訴えかける。
 来年はもっとよくしろ、と。
 いつもなら、それで良かった。
 それで納得がいった。得心もいった。
 でも今年は違った。
 終わりを特別に感じ、焦りの中ではたらきかけることが、望んだ結果をもたらすことはほとんど無いというのはよく分かる。
 理屈でも、経験でも、どちらでもその考えには頷ける。
 そのおかげで泣いたこともあった。
 同じことを繰り返そうとしているのかもしれない。これが最後のチャンスだから。そう考えて動いて、悲嘆の内に終わる、それが、俺の今までの〝最後〟との付き合い方だった。
 それでも、今度ばかりはこの終わりをそのままにしておきたくなかった。
 踏み出したかった。
 たとえその先に、数多の後悔があるのだとしても。
 これまでの自分が、どれほど躓いて来たか分かっている自分が、それでも前に進めと告げている。
 こんなことは無かった。
 ただの一度として、そんな想いを抱かされることは無かった。
 だから、俺はそうすることを決めた。
 ハイリスク、ハイリターン。
 それで構わない。
 それを望まないで今年が過ぎ去るのをただ見つめるだけなのは、もう嫌だった。
 それでも幸せになりたい。
 願ったのは、ただ一つ、それだけ。

3. Melody you know

 その旋律は懐かしかった。
 まだ好きでいられた頃。ただ、それだけでいられた頃。
 その音色を、二人で聞いた。
 未来を約束されない幸せは、それでも心地良かった。
 彼女がそれを聴くことは今でもあるだろうか?
 俺は今もこうして、時たまランダムに流れる中でそれを聴く。
 そしてこうして、無性に切なくなって、涙を流す。
 彼女に会うために、俺はその列車に乗っていた。
 空は冬らしく黒かった。暗かった。
 イヤホンをする俺に、周囲の音は入って来なかった。
 空の色が俺の瞳に映える。
 ピアノの音。
 空の表情にぴったりだと思った。
 悲しげで、さみしげで。
 どうして彼女は俺とこれを聴くことを楽しんでいたんだろう。
 彼女がピアノを愛していたから?
 空に微かに輝く星々はそんなわけがないと俺の冗談を見抜いていた。
 あの頃ほどはっきり見えない。
 空が以前よりずっと黒く見えるように思える。子供の頃に見ていた空は、どこに行ってしまったんだろう。
 周りにはいつもながらにたくさんの人がいるのに、俺はつう、と涙を流してしまいそうになった。
 彼女に会おうとしているのに、彼女のことを思い出していたら、彼女は怒るだろうか。
 きっと怒らないんだろう。
 彼女は、俺をようやく分かってくれる人だから。
 この話をしたら、この曲も聴いてくれるだろう。
 そうして、彼女はまるで違う言葉を感想に述べるんだろう。
 この空のように、俺の心を変えてしまうんだろう。

4. Time is money

 雪が降っていた。あの日も、今日も。
 俺はあの日不幸せになって、俺は今、幸せになろうとしている。
 あの日は四年前らしい。
 この心には昨日のことのように思えるのに。
 三百六十五日を、もう四回も繰り返した、日付はそう告げる。
 あの日から流し続けた涙の量は、それまでの量を遥かに超えて、むしろそれまでには俺は泣かなかったんじゃないかと思わせるほどだった。
 それまで幸せになろうなんて思ったことは一度もなく、だからこそ俺は、それからというもの、幸せを求め続けた。
 幸せという言葉をあえて使うのは、それが含みを含めて一つの言葉に表せる唯一のものだから。
 一切合切を含めての、幸せ。
 それが欲しかった。
 欲し続けた。
 それでも現実は残酷で、俺にはまるで得られない日々だった。
 悲しみに暮れる毎日で、ただ願うのはそれだけなのに、それが手に入らないことに、苦しみ続けた。
 だからこそ、今日は全てに勝つか、全てに負けてまた這いつくばるか、運命の日。
 たった一つの願い。
 それを叶えるにも、この世界には試練があって。
 積み重ねてきたもの全てを、その壁を越えるために使う。
 そこには幾多の苦難があって、そこを踏破出来た人たちがあんな風に世界を席巻している。
 俺が立ち向かうのも、本質的には全くそれと同じ。
 もしかしたらそれは全て運の為せる業なのかもしれない。
 たとえそうだったとしても、どうせそうだから、と割り切ることは出来なかった。
 なぜなら、これはもう、全てにおいて、最後だと思うから。
 時はお金のようだから。
 これ以上無下に捨てたら、俺はもう、死んでしまうだろう。
 そう考えたら。
 新しい世界にその壁を持って行きたくない。
 そう思わずに、いられなかった。

5. You say,

 彼女に言われた。
 弱い人たちに手を差し伸べてあげるべきだ、って。
 彼女の言葉で聞くまで、俺はどうしても認められなかった。
 俺だって弱い。相対的に比べたら強くても、絶対的に見れば弱い。
 そう言い返したら、彼女は一言、こう言った。
 強くありたくないの、って。
 ただの一言。それだけで。
 世界が変わった。
 彼女は強い。常に、強くあろうとするから。
 弱く、助けられるばかりの人でいたくない。
 それが彼女の信条だった。
 彼女のこれまでの半生は、弱者として守られるばかりのものだった。
 病弱だった彼女は、いつだって病院の中でやさしい言葉をかけられ、支えられ続けた。ようやく入院する回数が減っても、運動する機会がほとんど無かった彼女には、体力面にどうしようもない欠如があった。

「私ね、運動神経を持たずに生まれて来たんじゃないか、って、ずっと思って生きてたの」
 あれは確か、オリンピックを見ていた時のこと。
「こんな人たちほどじゃなくても、大概の人は、学校がしなさい、って言うこと、出来るでしょ。なのに私だけ、ほとんど出来なかったんだ」
 俺はその〝大概の人〟だったから、彼女の想いが汲み取ってあげられないのが悔しかった。
「でも先生たちは、私が運動出来ないのを知ってたから、いつもそれなりに点数を付けてくれて。でもそれがね、すごく悲しかった。私の頑張りだけ、みんなの頑張りと違ったから」
 弱い。それが彼女にとって最大のコンプレックスで、それを乗り越えることが、ある時までの彼女の生きる全てと言っても、良いのかもしれなかった。
「努力はしたけど、やっぱり自然に出来るうちにやっとかないといけない、ってのが、本当なんじゃないかな。もちろん、中には奇跡みたいに得意になる人もいるんだろうけど。私はそんな奇跡に巡り合えなかった。でもね、たった一つだけ、私が運動で誰かに勝てることかあるんだ」
 その言葉が、俺の心を強く惹きつけた。
 それまでにも増して。
「持久走だったら私、負けないよ」
 その後に彼女は、「もちろん陸上部とか、運動系の子たちに比べたら勝てないけどね。でも、文化部とか、一部の運動部の子には勝てるんだよ」と付け加えた。
 彼女は強い自分を、ずっと求め続けていた。
 強くあること。強くあろうとすること。
 彼女の姿勢を見て、俺もそうありたいと思うようになった。
 守ってあげられるのは、やっぱり、強い人だから。
 だから俺は今、彼女より強くありたいと思っている。
 それは、俺に比べたら彼女が弱くなる、という話で、さっきみたく絶対的に考えるなら、彼女も強いことには変わりない。
 きっと彼女が言いたかったのは、相対的に強くなれ、ってことだったんだろう。
 弱い自分は、人を羨んで、寝たんでしまうばかりだから。

 俺はおもむろに席を立った。
 何も言わずに、そっとドアの方へ歩いて行った。
 俺は、強くありたいから。

6. That Happiness is doubtful?

 俺は次の電車が来るのを待っていた。
 乗り換えの時はいつもそわそわする。
 どうしてそう思うのかは、いまいちよく分からない。
 動いている時と、止まっている時とで、そう大差は無いはずなのに。
 電光掲示板には、18:13と表示されている。
 後二分。それが無性に長く感じられる。
 彼女に会うまでは、おおよそ後二十分ほどだ。
 改札を出たところが、いつもの待ち合わせ場所。
 きっと今日も、あのバニラホワイトのダッフルコートに身を包んで。
 口元をマフラーで覆って、音楽を聴きながら待っている。
 そんなイメージを思い浮かべながら、今か今かと列車を待つ。
 すぐ隣のレーンに、大学生くらいのカップルが仲睦まじげに話しているのが見えた。
 モッズコートが様になっている金髪のカレシに、これまたトレンチコートでそつなく決めた茶髪のカノジョ。美男美女が笑顔で話す姿は、正直な話、なかなか精神をえぐるものがある。
 そしてまた、それをみて、彼らは本当に幸せなんだろうかと思いたくなってしまう。
 本当に幸せな恋をして、あんな風に行き着いているんだろうか。どんなストーリーが、二人が結ばれるまでにはあったんだろうか。
 そんなことを考えて、強くいないと、と自分に言い聞かせる。
 そうは言っても自然に感情が働けば、羨ましく思ってしまうし、自分もあんな風になれるんだろうかと疑わしく思ってしまう。
 要するに、自分の行き着く先が、不安で仕方ない。
 本物の幸せが欲しい。擬似的だったり、嘘っぽかったり、そんなものは要らない。
 高嶺の花を望んでいるんだろうか?
 そうだとしても、俺は妥協したくなかった。
 他のどんなものに妥協しても構わない。
 けれど、ただ一つ、恋にだけは、納得の行く結果が欲しかった。
 だからこうして、向かおうとしている。
 今度こそ最高の恋にしたいと、心に決めて。
 待ちわびた列車が滑り込んで来る。
 長く考えられる時間はこれで最後だ。

7. All for me/us

 次の駅名が告げられる。
 俺はここ一番のプレッシャーに見舞われた。
 準備は万端だ。服装だって、自分に出来得る最高の組み合わせで決めて来た。彼女に渡すものだって、それこそ何十時間もかけて決めて、何度も何度も持ったか確認して、そのせいで逆に家を出るのが遅れそうになった。
 携帯を確認して、何か一つでも間違えていないかと目を通してみるものの、今のところそうだと感じられるミスは何一つなくて、それがある意味で変な不安を抱かせるけれど、少なくとも何とか自信というものが感じられて当たり前のはずの状況には落ち着いている。
 ただそれでも、いざその瞬間が間近に迫って来ると、否が応にも緊張せずにはいられなかった。
 このままだと、最初に一言言おうと思っている言葉が飛んでしまいそうだ。
 俺はまた窓の外を見ることにした。
 空は相変わらず黒く、けれどさっきより、どことなく明るんでいるように思えた。
 それが、力をくれた。
 列車が減速して行く。
 駅近に立てられた多くのビルが目に映ったかと思うと、ホームが目の前に現れ、そして車窓の景色は動かなくなった。
 ドアが開く音がして、俺の隣の席に座っている人が立って。
 俺もまたそれについて立ち上がり、ぞろぞろと降りる人たちの群れに加わって。
 ホームに足をつけた。
 階段へ向かって歩く。
 エスカレーターには乗らなかった。
 一度だけ深呼吸した。
 その角を曲がれば、改札が目に入る。
 そしてそこに、立っている。
 この一言は、きっとこの場には相応しくないことで。
 この一言は、だけど彼女に一番最初に伝えたいこと。

8. To The End which is The Beginning

「今までありがとう」
 伝われ。
 そして今度こそ。
 一緒になりたいから。
「これからも、ずっと俺と一緒にいてほしい」


今年最後の作品になると思います。おそらく。
去年のこの時期は「Lost you」を書いていましたね。
3000字を毎日、五回に分けてということで、15000字ほど書いていたと思うと、今年はこの読み切り5300字を見て、あーなんか今年は最後らへん失速したなあ、って感じが否めません。
ですが、今作、すごく満足してるんです。
特にこの終わり方。
もう筆を置いても良いな、みたいな一種の満足感を得ています(いやもちろんこんなところで終える気無いですけど)。
舞い降りるChristmas Snowが恋に敗れた主人公を書いていた作品だったこともあって、少し、自分の中であれで終わらせるのは嫌だなあ、って気持ちが少なからずあったんだと思います。
幸せになりたい、というのが今年書いた作品のほぼ全てに共通のテーマだと思いますが、幸せになりに行く!というのを貫いた作品があまり無かったのが悔やまれて、そんな想いもあって、最後にこのような形の作品が出来上がりました。

洋楽にハマって早二年弱くらいでしょうか。元々邦楽でも英語のタイトルを付けるアーティストが好きなのもあって、作品自体は多くが英語で題名を考えるんですが、中でも何だかこう最近結構傾いて来てないか?俺、なんて印象もあります。連載作品が軒並みラノベチックなタイトルだから、その反動でしょうか笑

7部構成、今回は思い切って書き切って載っけよう、ということで書いたんですが、この作品を書こうとしたきっかけ、は後から考えての理由、考察としては上記のものになるんですが、本当に最初は昨日モンストに初課金しちゃいまして、2万円つぎ込んだにも関わらずテキーラちゃんが出なかった、というハッキリ言って恋愛とは何ら関係ない話が元になっていたりします。
1.の欲しいものが手に入らない云々、あれはこのモンストのガチャのお話です。
知って得をすることと損をすることがありますが、これは読者の皆様にとっては得する話ですか?損する話ですか?
俺としては得であって欲しいですね。
なぜなら、2万円つぎ込んで獲得出来なかったあの苦い経験が、漠然と何を書くか決めていなかった俺にこの作品を書くきっかけをくれたので!
正統派の恋に目を輝かせての始まりでないのは、恋愛小説家としては邪道なのかもしれませんけど。
きっかけは何だって良いと、個人的には思います。
ちなみに昨日の2時くらいにガチャで爆死して、その後3時くらいまで前半部分を書き、後半を今日の今さっきまで書いていたわけです。
今日は落ち着いているので、後半は普通のテーマを取り扱っています。

皆さんも些細なきっかけから小説を書いてみてはいかがですか?
楽しいですよ。病みつきになりますよ。
今日は謎に饒舌になってしまいました笑

明日は碧海愛創作アワード2014!今年はこれまでの作品の中から俺が気に入ったものを選ぶだけでなく、ファンの選んでくれたファン投票アワードも合わせて発表します!

明後日は今年一年の締めくくりということで、今年の振り返りを中心に書きまとめようと思います。
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