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ヒトミ

.05 2015 .+*ショートノベル*+. comment(0) trackback(0)
 あなたの瞳には俺はどう映っていたんだろう。
 友達――だと思っていた――だから、知らない人、じゃないだろう。
 良い人?
 悪い人?
 やさしい人?
 ひどい人?
 そこにつく修飾語は、どんなものだっただろう。

 俺があなたのことを思い出したのは、大学に合格して、下宿先に引っ越すために部屋の整理をしていた時。
 中学の卒業アルバム。ふいにケースから落ちた。ゴトン、と嫌な音を立てて、開いたのは三年三組のクラスページ。
 真ん中に大きな集合写真。それを取り囲む一人一人のバストアップ。
 拾い上げる時に、あなたと目が合った。
 あなたは俺を、嫌いと言っているようだった。
 思い出す。そう、あの頃あなたを誰より好きで、あなたのことばかり見ていた。
 そんな俺からの視線が、あなたは嫌だったかもしれない。
 多分、今の俺が考えるからそうで、あなたは俺が視線を向けていたことになんて、まるで気付いていなかったんだろうけど。
 あなたが今どこにいるのか、俺には知る由もない。あなたは綺麗だったから、今頃何人目かの彼氏と一緒なんだろう。
 素敵な恋歌を歌う人の恋物語が、色とりどりであるみたいに。
 あなたは色んな人を知っているんだ。
 この街から出られるのは、良いことかもしれなかった。
 あなたとは通学路が真逆だったし、部活に入っていた俺と入っていなかったあなたとでは、帰る時刻が一緒になるはずもなかったけど、それでもこの街で一緒だった、それだけで俺は幸せだったから。
 あなたがいたこの街じゃ、俺はあなたのことを思い出さずにいられない。

 駅で電車を待つ俺の心は震えていた。
 雪が積もる景色。
 手を出していたら凍りついてしまいそうで、俺は両の手をコートのポケットに突っ込んだ。
 思えば、俺が自信を失ったのは、あなたへの恋に敗れたからだった。
 あなたの恋人になれない俺は、俺自身がいらないと告げた。
 あなたは遠いところに行ってしまって、もう会う術も無い。
 過去のあなたしか知らないままの俺が、過去のあなたの好みに従って生きる。
 これじゃあなたは頷いてくれないだろう、って。そう考える度、俺の手は止まる。
 今も俺はあなたに縛られてるよ。
 たった一人。勝手に。
 恋は実らなかったから。

 新しい日々が始まる場所。
 ダンボールにまみれた孤城。
 ここには誰もいない。
 俺の知る人、誰一人だって。
 もう少ししたら俺は真っ新の人生を歩み出す。
 リセット。やり直し。
 これはきっとそうなんだろう。
 今度こそ誰かにとって、まともに映るように。
 あなたが嫌わない自分を演じようとして。
 そう、真っ新のはずなのに、薄い下色が見えている。
 結局俺は、あなたに縛られて生きて行くんだね。
 捨てられなかった、あの後すぐにハマったアーティストのCD。
 もうこんな曲が無くても幸せに生きて行ける、そうは言えなかった。
 今でも寄り添って欲しいと望む自分がいる。
 それは結局、俺があなたの瞳に最上に映りたいから。
 こんなんで俺、ちゃんと大学生、やっていけんのかな。
 ダンボールに茶色い点々がぽつりぽつりと現れて行く。
 やっと変われるはずなのに。
 俺はまたこうして、同じようなことを。
 繰り返そうとしている。

 あなたに似ていた。
 惹かれなかった。
 あなたと違う。それがハッキリ分かったから。
 賢い人たちがこよなく愛する美しいあの貴人は、俺にはひどい男に思える。
 だって彼が愛したのは、違う人だから。
 どれだけ頑張ったって、その人じゃないのに。
 その人の人生を捻じ曲げて、別の誰かを得ようとするなんて。
 気持ちだけは、痛いほど分かるけど。
 俺はそんな真似、しない。
 あなただけを追う。
 あなただけが、欲しい。

 でもそれは、幼い俺の衝動。
 でもそれも、悪くなかった。

 あなたのことは、今も思い出す。
 君には口に出来ないような時にでさえ、ふらっと思い返されたりして。
 そんな時君は決まってそういう瞳をするから。
 あなたが過去の人だって思える。
 相変わらずあなたには会わない。
 今はどこでどうしてる?
 綺麗だけど、幸せにはなれてないかもね。
 あなたの瞳には、俺がそう映っていたから。
 俺は随分ひどい人になってしまったよ。
 でも君には誰より、素敵な人。
 だからあなたにも、感謝しなきゃね。
 こんな俺にしてくれて、ありがとう、って。


新年初作品が抽象的なものになってしまいました、ごめんなさいな。

ちょっと考えることがあって、考えたまま書いたらぼやけました。
一昨日だかに書いた夢の話、あそこに出て来た人を〝あなた〟の人にしても良い、かもしれません。その人は綺麗じゃねーけど。
まあほぼフィクションです。
俺、自宅通いだし。
君とかいねえし。

なんて言うか感じるのは、それでも俺は大人になってしまったんだな、ってことで。
子供みたいに無邪気にバトルもの書いてたい。
苦しみたくなんてないもの。
本当、ね。

まあ、でも、こんなのばっかが書けてしまうってことは、そういうことなんでしょ。
ちなみにこれは俺の血に流れる祖父とか曽祖父とかの影響が強いみたい。
その人(母親が幼い頃に亡くなってるから、おじいちゃん、って認識が出来なくて)、早世したから、もしその血が流れてるなら、俺も早世するかもね。
後二十年くらい?

はは、それも悪かねーや。

ってそんな罰当たりなこと言ってちゃダメね。
年初めにそんなこと言っちゃいけないね。

もたれかかれる人、俺もそろそろ欲しいな。
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